お墓の掃除方法のコツは?道具や洗い方

「久しぶりにお墓に来てみたら、想像以上に汚れていた」という経験はありませんか?

また、隣のお墓がきれいになっていたので、

我が家のお墓の汚れが目立ってしまったということもあると思います。

石でできているので頑丈ですが、実はお墓はとてもデリケート

ゴシゴシ洗えば良いわけではないのです。

ここではお墓の掃除について、コツや注意点を踏まえた実践的な方法を紹介しています。

汚れの原因

お墓が汚れる原因には、

  • 経年変化によるもの
  • 環境による汚れとその蓄積によるもの

の2つがあります。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

経年変化によるもの

様々な加工が施される墓石には、適度に柔らかく美しい石材が好まれます。

墓石の材料として重用される御影石もその適性を兼ね備えた石です。

ですが、長年の風雨にさらされ、気温による熱膨張と収縮を繰り返すと、

石を構成する成分が変化したり溶け出したりして劣化が起こります

寺社の灯籠や鳥居・石碑のようなゴツゴツして艶のない表面へと変化していくのです。

特に近年では大気中の化学物質による酸性雨や埃などで

墓石が受けるダメージも大きくなっています。

しかし、経年変化による劣化は必ずしも悪いわけではありません

風格が現れ歴史を感じさせたり、日本特有のワビ・サビに通じたりするものもあります。

ただし、経年変化による傷みに次項の汚れが加わると、

非常に荒れた印象を与えるので気を付けましょう。

日常的な汚れとその蓄積によるもの

屋外に置いてある墓石には日々様々な汚れが付着します。

代表的なものは、

  • 砂・土などのほこり
  • 鳥のフン
  • 落ち葉
  • 花粉
  • クモの巣
  • お参り時の供え物
  • カビ

などです。

クモの巣などは取り除けば問題ありませんが、

落ち葉などが絡まったまま放置すると落ち葉が腐り、シミの原因になることがあります。

酸性の鳥のフンも同様です。

また、花粉は非常に小さいため表面の凹凸に入り込んで流れにくい上に、

黄色などの色素をもっているので汚れとして目立ちます。

こういった汚れが墓石に残っているとその部分に水が溜まりやすく、

そこに他のゴミも集まってきます

水はやがて蒸発しますが、付着した成分は濃縮されてその部分に残り、

やがて墓石に浸透してシミや劣化の原因となるのです。

コケやカビが生える条件も満たしてしまいますね。

さらに、お参りで供えた飲食物を置いて帰ると、散乱・腐敗してシミになったり、

それを目当てに鳥や虫などが集まってフンなどで汚したりする原因になります。

墓石にかけた酒もシミの原因になるので洗い流し、

供え物は持ち帰る方が墓石をきれいに保てるのです。

このように、日常的な汚れには、

  • それ自体が汚れとなるもの
  • その汚れが要因となって別の汚れや劣化を引き起こすもの

があります。

汚れを取り除くことは見た目の問題だけでなく、劣化を防止する意味もあるのです。

道具

お墓をきれいに保つには、小まめに水洗いすることが一番です。

しかし、現実的には頻繁にお墓を訪れるのは難しいでしょうから、

前述のような汚れが蓄積した状況で掃除に行くケースがほとんどだと思います。

そんなときは次の物を持って行くと、とても便利です。

掃除用具

  • バケツ・柄杓
    折り畳み式バケツだとかさばらないので持ち運びに便利です。
    墓所に備え付けのものがあれば借りても良いでしょう。
  • スポンジ(たわし)
    普通のスポンジ(ポリウレタン製など)とメラミンスポンジの両方を持参するのがおすすめです。
    レック㈱社『激落ちくん』に代表されるメラミンスポンジは水だけで頑固な汚れを落とせる優れものですが、研磨用なので軽い汚れには普通のスポンジで十分です。
  • 雑巾(古タオル)
    水ぶき用と乾拭き用に使うので数枚用意します。
  • 歯ブラシ・布切れを巻いた割り箸
    文字の中や石と石の境目など細かい部分の掃除に適しています。
    歯ブラシが届かない部分は、割り箸に巻いた布でこすり取りましょう。
    柄の長い水筒用のスポンジも持参すると便利です。
  • ハサミ・鎌
    植木の剪定や雑草の刈り取りなどが必要な場合は持参しましょう。

なお、どんなに汚れが酷くても「洗剤」は使わないようにしましょう

家庭にあるものは中性洗剤であってもデリケートな墓石には向いておらず、

シミの原因になることも少なくありません。

どうしても洗剤を使いたければ墓石専用のものがありますが、

これを用いても墓石の材質によってはシミになることがあるので注意しましょう。

カビ取りなどに使う「漂白剤」も石に直接的なダメージを与えるので、

絶対に避けましょう。

掃除の手順

それでは、お墓の掃除方法を具体的に見ていきましょう。

ここでは一般的な和型のお墓の掃除について紹介しますが、

洋型やデザイン型であっても手順はほぼ同じです。

ただし、石よりもデリケートな材質の場合には十分に注意して行ってください。

①お墓のある区画の清掃

初めに落ちている葉やゴミなどを拾います

雑草を抜き、植木がある場合は剪定してから行うと効率的です。

共用のほうきと塵取りが用意されている所もあるので、借りると便利です。

ゴミは敷地内だけでなく、隣接する通路周辺も簡単に清掃し、

自分のお墓にある木が落とした葉は、特にきれいに取り除いておきましょう

なお、砂利はバケツに汲んだ水の中でこすり合わせるときれいになります。

②墓石の水洗い

次に墓石を上から下へと洗っていきましょう。

まず、墓石に水をかけ、汚れを洗い流します

墓石に砂粒などが残っているとスポンジでこすったときに傷をつけてしまうので、

きちんと洗い流しておきましょう。

続いて普通のスポンジにたっぷりと水を含ませ、

柔らかい面を使って主に平らな部分の汚れを落としていきます

たわしを使う方法もありますが、摩耗していると中心部で石を傷つけることもあるので、

できればスポンジをおすすめします。

スポンジで落とせなかった水垢などの汚れはメラミンスポンジを使って落としましょう。

メラミンスポンジは硬い樹脂を発砲したもので、汚れを削り取る“研磨用”のスポンジです。

傷はつきにくいですが、ツヤ出しなどのコーティングを削ってしまう可能性があるので、

たっぷりの水を付け、様子をみながら落としていきましょう。

墓石も道具も時々水で洗い流し、

取り除いた砂などを巻き込んで墓石を傷つけないように注意してください。

③細部の汚れ落とし

次に彫刻や石同士の継ぎ目など細かい部分の掃除をしていきましょう。

文字の中や継ぎ目は水が溜まりやすく、

土・砂やコケ・カビ、水垢などが付着しやすい部分です。

初めに歯ブラシなどで掻き取り、

こびりついた汚れは割り箸に巻き付けた布でこすると落としやすいです。

文字の尖った部分は、スポンジがボロボロになりやすいので注意してください。

④小物類を洗う

お墓には花立てや香炉などの小物も置いてあります。

取り外しできるものは外してから洗いましょう。

花立ては細長く苔が生えやすいため、

歯ブラシや柄付きブラシを利用して汚れを落としていきます。

底部は布を巻いた割り箸を使うと洗いやすいです。

水鉢は墓石をくりぬいた一体型が多く、汚れの多くは周囲の水垢と内部の苔です。

墓石と同じように掃除していきましょう。

掃除で出たゴミは洗い流しにくいので、拭き取るのがおすすめです。

香炉は墓石一体型や置くタイプ、材質など様々ですが、いずれも残った灰を洗い流し、

ススやヤニなどは歯ブラシ・割り箸・メラミンスポンジなどで落としていきましょう

⑤乾拭きする

最後に墓石についている水分をきれいに拭き取ります。

水分が残っていると砂・土が付きやすく、

季節によってはあっという間にコケやカビが生えてしまいます。

特に文字や石の継ぎ目は水分が残りやすいので丁寧に拭くようにしましょう。

掃除の時期とマナー

お墓を掃除する時期や頻度に良し悪しや決まりはありません

でも、多くの人がお参りに訪れる命日やお盆・お彼岸などの前に掃除しておくと、

気持ちよくお参りできるのでおすすめです。

お墓をきれいに保つには年数回の掃除が適切とされているので、

こういった機会やタイミングで行えば十分ですね。

ただし、お参りを兼ねて掃除するのも良いですが、

徹底的にしたいときはお参りとは別の日に行く方が良いでしょう。

水をかけたりブラシで擦ったりすると、水跳ねなどで意外と汚れるからです。

このため、動きやすく汚れてもいい服装が良いのですが、

墓石の角は鋭利なので肌を切ったりしないよう露出は少ない方が安心です。

反対に、腕時計や指輪などで墓石を傷つけないように注意しましょう。

 
また、お墓参りは「ご先祖様を後回しにしない」ために午前中にするのがマナーですが、

掃除の時間帯も明るくよく乾く午前中の方がおすすめです。

でも、仕事の都合などで時間が取れない場合などは、

夜に行っても問題はありません

墓地が照明などでよく見えるか、

墓地に立ち入れる時間帯かどうかなどは確認しておくと良いでしょう。

 
掃除で出たゴミ類は持ち帰るのが基本ですが、

墓地に所定のゴミ捨て場があるのなら利用させてもらっても良いですね。

抜いた雑草などはそのままにせず、きちんと処分するのがマナーです。

なお、他家の敷地に立ち入るのは避けた方が無難ですが、

植木の剪定などで立ち入る必要がある場合は合掌してからにしましょう。