死亡届・火葬・埋葬許可証の書き方、時期や届け出先について

親しい人を亡くしたばかりの辛い時期でも、法的な手続きは必要です。

特に「死亡届」「火葬許可証」「埋葬許可証」は

故人を弔うにあたってすぐに必要とされるばかりでなく、

後の保険金請求や遺産相続にも関係する一連の手続きとなります。

また、これらに関わる書類として、

死亡診断書(死体検案書)」「火葬許可申請書」もあります。だからこそ

大変な時期だからこそ記入事項や必要書類などを確認して、

無駄なく行っていきましょう。

ここでは「死亡届」「火葬許可証」「埋葬許可証」にまつわる手続き方法

詳しく紹介しています。

死亡届と死亡診断書(死体検案書)

故人の死が確認された後、

いちばん早く行わなければならない手続きが「死亡届(正式:死亡届書)」の提出です。

これを行う目的は主に2つあります。

1つは、遺族が故人を火葬・埋葬するときの許可証を入手するためです。

日本の法律では勝手に火葬や埋葬を行うことは許されていませんから、

死亡届を受理してもらうことで、火葬や埋葬の許可証を発行してもらうのです。

もう1つは、法的・行政的に故人の死亡を確認し、

その人の戸籍から名前を消し(除籍)、住民票からも除票するためです。

これによって住民税や選挙権など公的な義務や権利が抹消されます。

同時に法的な死亡が認められたことになるので、

除籍謄本などを遺産相続や保険金申請時の証明書類として利用できるようになります。

「死亡届」については法務省ホームページでも案内していますが、

下記の表と各項でわかりやすく解説していますのでご覧ください。

《 死亡届について 》
提出期限 7日以内
※例外あり(下記説明参照)
入手法病院などの医師、
または提出先の市区町村役場窓口
提出先 故人の本籍地、死亡地などの
市区町村役場窓口
届出人
親族、同居者、家主、地主など
他に必要なもの・死亡診断書または死体検案書
 (同じ用紙の右半分)
・印鑑
・火葬許可申請書(次項参照)
手数料なし

入手の時期と方法

死亡届は市区町村役場の窓口で入手できますが、

病院などにも置いてあるので、ほとんどの場合もらいに行く必要はありません

なぜなら、「死亡届」と「死亡診断書(死体検案書)」は同じ用紙で、

A3用紙の左側が「死亡届」、右側が「死亡診断書(死体検案書)」であるからです。

死亡診断書(死体検案書)は

死亡の確認作業を行う病院や警察委託の医師によって書かれるものなので、

自分で役所に取りに行く必要はほぼないのです。

 
死亡診断書(死体検案書)は、死亡が確認された当日または翌日に交付されます。

死亡診断書と死体検案書は同じもので用紙名として上部に併記されており、

死因が病死であると明らかな場合は死亡診断書、

事故や突然死・変死の場合は死体検案書として扱うため、

該当しない方の名称を二重線で消して使用します。

死因による名称の違いだけなので、以下では単に“死亡診断書”と表記しますね。

 
なお、死亡診断書は提出する前にコピーしておくことをおすすめします。

後の保険金請求時などに提出を求められることがありますが、

役場に提出してしまうと返却されないので、念のため備えておきましょう。

書き方

死亡診断書に関しては遺族が記入する必要はないので、

その左側の「死亡届」の部分を記入して提出することになります。

病院などで受け取ったら、紛失しないように大切に持ち帰りましょう。

市町村によって多少の違いはありますが、記入事項は次の通りです。

死亡届の記入事項の例

  • 死亡者の氏名、性別、年齢、住民登録をしている住所、本籍
  • 死亡日時(死亡診断書の日時とする)、死亡場所
  • 配偶者の有無
  • 死亡した時の世帯の主な仕事
  • 届出人(下表参照)の住所、本籍、生年月日、連絡先、署名、印

なお、届出人には条件があり、順位も決まっています

届出人の条件と順位

同居の親族、同居していない親族、同居者、
家主、地主、家屋管理人、土地管理人、
公設所の長(身寄りのない人の場合。病院・老人ホームなど院長・所長など)

外国人で印鑑を持っていない場合はサインに換えることも許されます。

提出期限と届け出の方法

死亡届の提出期限は、亡くなった事実を知った日から7日以内

国外で亡くなった場合は、その事実を知った日から3か月以内と定められています。

しかし、死亡届が受理されないと火葬ができないため、

実際は死亡後すぐに手続きを行う遺族がほとんどです。

ただし、死亡届と同時に申請する「火葬許可申請書」(別項参照)には

火葬を行う場所と日時を記入する欄が設けられている場合が多くあります。

この場合、火葬の予約が取れてからでないと

死亡届も提出できなかったり二度手間になったりしますから、

死亡届の提出前に火葬場を予約することをおすすめします。

 
死亡届の提出先は、

  • 死亡者の本籍地
  • 死亡地
  • 届出人の現住所地

のいずれかの市町村役場窓口で可能です。

しかし、死亡届は戸籍の除籍・住民票の除票などの手続きに使用されるので、

これを管轄する役所と全く関係のない市町村に提出すると手続きに時間がかかり

証明書が欲しい時に完了していないなどの不都合が生じることもあります。

また、夜間・休日など、窓口が閉まっている時間帯でも提出することができます

ただし、提出はできても受付は完了しておらず、後日再訪する必要が生じますし、

何よりも、死亡届と火葬許可申請書(別項参照)を受理した時に発行される

「火葬許可証」を受け取らなければなりません

すぐに謄本などが必要な場合は、

故人の本籍地の役場に受付時間内に提出することをおすすめします。

 
なお、前項の通り“届出人”には条件がありますが、

届出人以外が死亡届を窓口に持参することも可能です。

最近では葬儀社のスタッフが代理で持参してくれることも多いので、

大変なときですからお願いしてしまっても良いでしょう。

ただし、人ひとりを戸籍から取り除く手続きですから、

気になるようであれば遺族が行うと良いでしょう。

火葬許可申請書と火葬許可証

現在の日本では、人が亡くなった場合は基本的に火葬することが前提となります。

その際に必要となる書類が「火葬許可証」で、

これを火葬場に持参しないと火葬してもらえない法律になっています。

そして、火葬許可証の発行に必要な書類が「火葬許可申請書」です。

ここでは「火葬許可申請書」の提出と「火葬許可証」の受領までの流れについて

解説していきましょう。

下表と併せて各項もご覧くださいね。

《 火葬許可申請書について 》
提出期限 7日以内
※例外あり(下記説明参照)
入手法提出先の市区町村役場窓口
または同ホームページ
提出先 故人の本籍地、死亡地などの
市区町村役場窓口
(死亡届の提出先と同じ所)
申請者
親族、同居者、家主、地主など
(死亡届の届出人と同一)
他に必要なもの・死亡届(前項参照)
・印鑑
手数料なし

入手の時期と方法

「火葬許可申請書」は

市区町村役場の窓口か、同ホームページからダウンロードして入手します。

役場によって「死体火葬許可申請書」「火葬場使用許可申請書」など

名称や様式が異なりますので、必ず提出先の役場のものを入手しましょう。

一部の自治体では死亡届の提出によって自動的に火葬許可証が発行されるため、

申請書が不要なこともあります。

死亡届と同時に提出するものなので、

死亡届を提出しに役場へ行ったときに窓口で入手し、その場で記入しても良いでしょう。

書き方

火葬許可申請書に記入する内容は市区町村によって異なりますが、

一般的には次の通りです。

火葬許可申請書の主な記入事項

  • 死亡者の本籍、住所、氏名、性別、生年月日
  • 死因、死亡年月日時、死亡場所
  • 火葬の場所、火葬実施日時
  • 申請者の住所、氏名、死亡者との続柄、印

死亡届の項でも触れましたが、

火葬許可申請書には火葬の場所と日時を記入することが多いので、

提出するまでに火葬場の予約を済ませておきましょう

火葬は死後24時間経過しないと法律的に実施できませんので、

予約の際には考慮してくださいね。

なお、申請者は死亡届の届出人と同一人物にします。

提出期限と届け出の方法

火葬許可申請書は死亡届と同時に提出するのが原則なので、

提出期限は死亡届と同じ

亡くなった事実を知った日から7日以内(国外で亡くなった場合は3か月以内)

となります。

提出先も死亡届と同じ

  • 死亡者の本籍地
  • 死亡地
  • 届出人の現住所地

の役場窓口となりますが、

死亡届の項で述べたように故人の本籍地に申請する方が、

その後の行政手続きがスムーズに進みます。

窓口に持参する人は申請者以外でも問題ありませんので、

葬儀社に代行してもらっても良いでしょう。

 
死亡届と同様に、窓口の受付時間外でも提出は可能ですが、

火葬許可申請書の場合は受理されたときに交付される

「火葬許可証」を受け取る必要があります。

後日受け取ることもできますが、

死亡届と一緒に提出し「火葬許可証」を受け取って帰れば一度で済みますので、

受付時間内に窓口に行くことをおすすめします。

 
なお、「火葬許可証」は火葬当日に持参し、火葬場の管理者に提出します。

これがないと火葬してもらえないので、当日忘れないようにしましょう。

火葬許可証は市区町村によって様式が様々で、

「死体火葬許可証」「死体埋火葬許可証」「埋・火葬許可証」など

名称が統一されていません

また、火葬のあと「埋葬許可証」として使用することになりますので、

次項も併せてご覧ください。

埋葬許可証

遺体を火葬し遺骨(焼骨)にしたあと、

これを墓などに納骨する際に必要となるのが「埋葬許可証」です。

また、一度納骨したものを別の場所に納骨(改葬)する場合も必要になるので、

大切に保管しておきましょう。

なお、法律上、“埋葬”とは土葬を意味する言葉で、

焼骨を墓に入れるのは“埋蔵”、納骨堂に納めるのは“収蔵”というのが正しいのですが、

一般的には焼骨を墓に納めることも“埋葬”と表現しているので、

ここでもその意味で使用していきますね。

《 埋葬許可証について 》
入手法火葬場
(市町村役場が交付した「火葬許可証
(名称は市区町村によって異なる)」に
火葬場の記入・証印がされたもの)
提出先納骨する墓所・霊園などの管理者
提出時期 納骨時・改葬時
手数料 なし(分骨の場合は数百円)。
ただし火葬料は別途必要。
保管期間 5年間

入手の時期と方法

火葬場に提出した「火葬許可証」に火葬日時の記入と“火葬済”の証印をされて

返却されたものが「埋葬許可証」となります。

骨壺の箱の中に埋葬許可証を納めた状態で返却してくれる火葬場が多いので、

骨壺を受け取ったら必ず確認すると良いでしょう。

なお、もともとは火葬許可証なので、

発行は死亡届と火葬許可申請書を提出した市区町村となりますが、

実際に埋葬許可証として受け取るのは火葬場…と、少々わかりづらい書類です。

さらに、前項の通り、火葬許可証の名称は実に様々です。

市区町村によっては「火葬許可証」の裏に火葬済みの証印がされるだけの場合もあり、

埋葬許可証と明記された書類が存在しない場合もあります。

「埋葬許可証がない」と慌てずに、

「火葬許可証」と書いてある用紙を確認するようにしましょう。

分骨する場合は、

火葬場から通常の埋葬許可証のほかに分骨証明書を交付してもらう必要があるので、

火葬の時に申し出ておきましょう。

 
火葬や分骨についてはこちらの記事で解説していますので、ご覧ください。
火葬の流れと骨上げの作法とは?時間や順番・箸の使い方

提出先

埋葬許可証は、納骨するときにその場所の管理事務所に提出します。

分骨の場合は分骨証明書を代わりに提出しましょう。

なお、墓地が決まっていない、墓を建てているという場合はすぐに使わないので、

大切に保管しておいてください。

埋葬せず手元で供養する場合は埋葬許可証は不要ということになりますが、

埋葬許可証には5年間の保管が法律で義務付けられています

提出した場合は墓地・霊園の管理者が、

埋葬しない場合は自宅にて保管しておかなければなりませんので、気を付けましょう。

再発行するには

大切に保管するべき「埋葬許可証」ですが、

すぐに埋葬しないケースでは紛失してしまうこともあります。

紛失した場合は、火葬許可証を発行した市町村役場か火葬場に問い合わせてみましょう。

火葬場には火葬台帳などの資料があって、

故人の氏名と火葬年月日がわかっていれば火葬の事実を確認した上で手数料を支払うと

埋葬許可証を再発行してもらえます。

火葬年月日がわからない場合は除籍謄本などの必要書類を揃えて役所に提出し、

その結果、火葬が証明されれば再発行してもらえますが、

自治体によって手続きが異なりますので問い合わせてみましょう。