死亡後のカードの手続きや残高の処理について

クレジットカードは一枚あれば日本全国、そして世界中で買い物ができる

大変便利な決済アイテムです。

アルバイトをしている学生やパート勤務の方でも持つことができる昨今、

クレジットカードを持っていない人を探す方が難しいのではないでしょうか。

人によっては携帯電話や新聞、ガスや電気などのライフラインも

クレジットカード決済にしていることもあり、

今や欠かすことのできない重要な決済手段になっていますが、

その多機能ゆえ、カードの所有者が亡くなった場合、

速やかにその後の手続きをしなければ数々の金銭的トラブルが発生してしまいます

クレジットカードは所有者の信用に基づいて発行されていますので、

手続きの怠りでその信用を無くすことがないよう注意したいものです。

また、クレジットカードに利用残高があった場合には相続人による清算も必要ですので

この点を念頭に入れてなるべく早く手続きを行いましょう。

故人のクレジットカードはどうすれば?

クレジットカードは所有者個人の経済的信用に基づいて発行されているいますので、

名義変更をして遺族が引き続き使用することはできません

したがって、故人のクレジットカードは解約することになります。

クレジットカードの解約手続き

故人のクレジットカードの解約手続きは相続人が行ってください。(※理由は後に説明)

まずは故人のクレジットカードをすべて手元にそろえ、

カードの裏に記載されているカスタマーセンター等の連絡先を確認します。

その後はカード会社からの指示にしたがって手続きを行いましょう。

ポイント

  • まずはカード会社のカスタマーセンターへ所有者が死亡したことと、解約希望の旨を伝える
  • 人によって所有カード枚数は異なるので、なるべくカードをそろえてから手続きを行うと後がスムーズに

クレジットカードに利用残高があった場合は?

故人のクレジットカードを遺族が引き継いで使用することはできません

しかし、故人が使ったショッピング代金やキャッシング等の利用残高は

すべて相続人に引き継がれます。

つまり、相続人が利用残高の支払い義務を負うことになるのです

これは、「相続は遺産とともに負債も引き継ぐ」

と民法で規定されていることが理由です。

これはライフラインの清算についても同じことですので、覚えおきましょう。

相続人による解約手続きをおすすめする理由は、

こうした事態に備え、円滑に事を進めるようにするためでもあります。

ポイント

  • クレジットカードの利用残高は相続人に支払い義務が発生することを認識しておく

支払いを拒否したい場合

だたし、相続人の中にはこうした事実上の借金を支払いたくない、

あるいは支払い能力がない方もいますので、そのような場合は相続放棄することによって

支払いを免れることができます

ただし、この相続放棄は「一切の相続を放棄する」という意味であり、

不動産などの大きな遺産もすべて相続することができなくなりますので、

慎重な判断が必要です。また、相続放棄は法的効力を持つものですので、

家庭裁判所への申請をしなければなりません。

しかも申請できる期間は故人が死亡したことを知った日から3カ月

あまり時間的余裕はありません。相続人間で話し合って、

熟考してから最終的な判断をしてください。

以下は相続放棄の手順です。

1 準備

以下のものを準備します。

準備する書類

  • 「相続放棄申述受理証明書」を裁判所の窓口でもらう、またはこちらからダウンロード
  • 被相続人と相続人の関係がわかる戸籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票
  • 申請人の戸籍謄本
  • 申請人の身分証明書のコピー(運転免許証、保険証など)
  • 150円分(一人につき)の収入印紙
  • 返送用郵便切手
  • 返送用封筒

2 提出

以上をそろえたら、最寄りの家庭裁判所に郵送します。
(※)上記は郵送で提出する場合ですが、窓口でも提出が可能です

直接窓口に出向くときには身分証明書の持参を忘れずに。

3 結果を待つ

申し立てが受理されると、裁判所から「相続放棄申述受理通知書」が送られてきます

これで相続放棄の手続きは完了ですが、

「相続放棄申述受理通知書」は再発行不可ですので、

紛失しないように大切に保管しましょう。

 

一切の権利を手放す代わりに負債も負わない相続放棄の他、

プラスの相続分の範囲内で負債を負う限定承認と呼ばれる制度もあります。

こちらも相続が開始されたことを知った日から3カ月以内に申請が必要ですが

少々手続きが複雑ですので、この場合は弁護士・司法書士などの専門家に

相談することをおすすめします。

負債額の確認方法

相続人がそのどのような相続をするのかは故人の負債が大きく影響しますので、

相続人はクレジットカードやカードローン、

その他の負債額を確認する権利があると言えます。

クレジットカードの場合は所有者死亡の連絡をカード会社にした際に

利用残高を通知されることがありますが、万が一知ることができなかった、

または金融機関を問わず全体的な負債額を知りたいときは

以下の機関に情報開示を求めてみてはいかがでしょうか。

各機関ごとにインターネット、郵送、窓口などからの手続き方法が用意されていますが、

いずれにしても故人と相続人との関係を証明する戸籍謄本や申請人の戸籍謄本、

身分証明書等の提示・提出が求められますので

あらかじめ準備しておくとスムーズに手続きが行えます。

ポイント

  • 相続放棄・限定承認には3カ月の期限があるので負債額の確認は早急に
  • 情報開示に必要な戸籍謄本等の書類はあらかじめ準備しておくのがベスト

家族カードはどうなるのか?

家族カードはメインの会員の信用により、

その家族もクレジットカードを持つことができる便利なカードです。

この家族カードにより、主婦である妻や収入のない学生の子どもなどが

それぞれクレジットカードを持つことが可能になります。

しかし、家族カードがが本会員(故人)の経済的信用のもとに発行された以上、

本会員が亡くなった場合には相続人であっても名義変更などで引き継ぐことができず、

解約しなければなりません

故人を本会員とする家族カードを持っている方は

速やかにカード会社に解約手続きの連絡をして、指示にしたがいましょう。

利用残高があった場合は通常のカードと同様の流れになります

カードローンの場合はどうなるのか?

カードローンは借り入れ専用カードですので、

クレジットカードのように会費やショッピングの支払いなど細かい利用がない分、

利用残高の把握がしやすく、

解約後に更なる手続きが続くなどの面倒も少ないかもしれませんが、

どちらにしてもまだ完済していない借り入れがあった場合には

クレジットカード同様、相続人が支払わなければなりません

返済が滞るトラブルが発生しないよう、

カードローンの場合にも速やかに解約手続きをしましょう。

手続きの流れや相続放棄するときの流れはクレジットカードを同じです

故人のETCカードはどうすれば?

クレジットカードタイプの場合

故人が車を運転していた場合はETCカードを所有していたか確認してください。

そしてETCカードの所有していた場合は、

そのETCカードがクレジットカードタイプのものか、

それともデポジット支払いタイプのパーソナルタイプかまで確認し、

クレジットカードタイプのものだった場合は、

こちらもカード会社の連絡して解約を申し出ます

デポジットタイプの場合(ETCパーソナルカード)

ETCパーソナルカード事務局に連絡し、解約届を送ってもらいます。

届いた解約届とカードを返却して解約手続きは終了です。

預けたデポジットがあった場合には1~2カ月程度で銀行口座に返金されます。

ポイント

  • ETCカードはクレジットカードタイプか、デポジットタイプか種類を確認すること

故人がクレジットカードで公共料金等を支払っていた場合の手続き

相続人が公共料金等の清算をすることになりますが、

支払い方法がクレジットカードだった場合はそれ以外の清算方法も

確認した方がよいでしょう。所有者がすでに亡くなっているにもかかわらず

支払いが発生している状況は不自然であり、トラブルの原因になるからです。

ライフラインの手続きについてはこちらを参考にしてください。

貯まったポイントやマイレージは相続できるのか?

ポイントは相続できる?

最近のクレジットカードにはカードを利用するごとにポイントが付与されることが多く、

貯まったポイントをプレゼントなどに交換したことがある方も多いのでは?

このように、ポイントは金銭に近い価値を持っている側面もあり、

ポイントを相続できないかと考えている遺族がいてもおかしくはありません。

しかし、残念ながらポイントを相続人が所有するクレジットカードに移行するなどは、

できないことの方が多いようです

気になる方は各クレジットカード会社に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

マイルは相続できる?

航空会社系クレジットカードにはマイルが加算されることが多いですが、

こちらもポイントと同様、様々なサービスに利用できるため、

できれば相続で引き継ぎたいと思う遺族もいることでしょう。

日本の航空会社であるJAL(日本航空)、ANA (全日本空輸)のクレジットカードでは

貯まったマイルを相続することができるそうなので、

具体的な手続き方法については各カード会社に連絡した上で指示にしたがってください。

他の外資系航空会社のクレジットカードのマイルについては

航空会社ごとに取り扱いが違うことがありますので、

故人所有のクレジットカードの解約を申し出る際、マイルについても尋ねておくといいですね。

ポイント

  • マイルの相続は可能なこともあるので、各カード会社に相続したい旨を伝えて可能かどうか確認すること

年会費無料のクレジットカードの注意点

通常、クレジットカードには年会費が発生することが多いですが、中には

支払い方法やショッピング額の条件によって年会費が無料になるカードがあります。

ですが、もしカード所有者が亡くなった時点で条件を満たしていなかった場合、

会費が発生してしまいます

年会費の未払いも支払い義務が生じている以上「債務の不履行」となり、

遅延金が発生することがあるので、故人のクレジットカードが

どのようなタイプのものなのかをしっかりカード会社に確認するようにしましょう。

ポイント

  • 年会費未払いも債務の不履行になるので注意
  • クレジットカートの種類・特典等もしっかり確認しておくこと

各種ネットショッピング会員だった場合の注意点

クレジットカードと異なり、会員証などが発行されない

ネットショッピングサービス(Amazonなど)に故人が入会していた場合、

解約手続きをしなければそのまま会費が請求されることがあります。

サービス提供会社によっては請求をかけても会費が回収できないことがあれば、

そのまま会員登録から外れるシステムのところもありますが、

中には回収できない会費を未払い金として延滞金と一緒に請求するところもあるので、

故人がどのようなネットサービスを利用していたかも細かく確認してください

会費の決済方法にもよりますが、銀行口座からの引き落としや

クレジットカード決済は記録に残るので、比較的判明しやすいです。

どのような引き落とし、利用履歴があるのかを丁寧に見ていくことをおすすめします。

手続きをする時期

何事も早めの行動が大切ですが、具体的にはクレジットカード・カードローンであれば

葬儀から1~2カ月以内、その他に2~3カ月以内が望ましいところです

クレジットカードで様々な決済をしていることがわかっている場合には、

さらに早めの手続きを心がけてください。

放置していると次々に請求がかかってしまうからです。

ポイント

  • クレジットカード・カードローンの手続きは葬儀から1~2カ月
  • その他については葬儀から2~3カ月以内を目途に

 

世の中が便利になった分、カード一枚で知らないうちに

数々の支払いが生じてしまうことは多々あります。

少しでも支払い義務が生じる可能性のあるカードの取り扱いについては、

故人だけではなく、遺族も普段から注意したいものです。