死亡後の運転免許証やパスポートの手続きや時期について

人は生きていると実に様々な「身分証明」を持つことになります。

未成年・学生の頃は学生証、運転免許を取得してからは運転免許証、

そして就職してからは社員証……など、その種類は実に様々ですが、

その証明書が証明する人物が亡くなれば、

証明書自体の存在意義はなくなってしまいます。

 

各種証明書はその人が生きてきた軌跡を見られるようで

親族の思い入れがあることも多く、

なかなか手放せない方も多いものですが、

万が一紛失・盗難にあった場合に

証明書を悪用されて思いもよらない被害が及ぶことがないよう

なるべく早く返納・返却手続きをしましょう。

特に法的な契約の際に有効な証明書となり得る運転免許証

速やかに返納手続きを行いたいものです。

運転免許証の返納

運転免許証は死亡によって失効します。運転免許証が何らかの事情で失効した場合、

速やかに返納しなければならないことが法律で定められていますので、

人が亡くなった場合も返納の手続きをしなければなりません

運転免許証の返納手続き

まず、返納の手続きをする前に以下のものを準備します。

準備するもの

  • 故人の運転免許証
  • 故人の死亡診断書 or 死亡したことがわかる戸籍謄本など
  • 届出人の本人確認のための身分証明書(運転免許証やパスポート、保険証など)
  • 届出人の印鑑

以上のものをそろえたら、

最寄りの警察署、または運転免許センターで手続きを行いましょう。

その際に「運転免許証返納届」を記入します。

有効期限を過ぎたものはどうする?

運転免許証には有効期限があります。

ですので、この期限を過ぎれば自動的に失効しますが、

だからと言って何もしないで放置するのは得策ではありません。

失効した運転免許証であっても悪用される可能性は十分考えられます

失効した運転免許証は返納するのが原則ですので、

失効した故人の運転免許証は速やかに返納しましょう。

ポイント

失効後であっても速やかに返納すること

手元に残したい場合

運転免許証は顔写真付きですので、「その人が生きた証」として

手元に残しておきたいと思う遺族がいても不思議ではありません。

そういった場合は返納手続きの際にその旨を窓口で伝えましょう

確かに手続きの目的は「返納」ですが、

事情を伝えれば返納する運転免許証を無効にする処置をした上で、

遺族に返却してくれます

ポイント

手元に残したい場合は窓口でその旨を伝えましょう

運転免許証はただ免許取得や更新を証明するだけではなく、

銀行の口座開設、クレジットカードや住宅ローンの申し込みなど、

金銭が動く場面で提示を求められる重要な証明書です

盗難や悪用の被害にあわないようにするためにも、

返納の手続きは早めに行ってください。

自動車の名義変更

運転免許証の返納手続きの際にできれば併せて行いたいのが

故人の自動車の名義変更です。

自動車は相続の対象になりますので、誰が相続するのがが決まっている場合には

名義変更の手続きをする必要があります

ここでは相続人のうちの一人が単独相続する場合の手続きを例に見ていきましょう。

自動車の名義変更手続き

自動車も財産ですので、名義変更の際には自動車を相続することについて

他の相続人が同意していることを証明する「遺産分割協議書」が必要になります。

準備するもの

  • 遺産分割協議書(相続人全員の実印があること)
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 登録印紙を貼り付けた手数料納付書
  • 自動車の所有者(故人)と相続人全員の記載がある戸籍謄本(発行から三カ月以内のもの)
  • 委任状
  • 自動車税の申告書
  • 車検証
  • 相続人の車庫証明書

以上のものをそろえて、各地の運輸支局で手続きを行いましょう。

運輸支局の所在地については国土交通省ホームページ内のこちらから検索できます。

自動車を廃車する場合は?

故人所有の自動車を相続人が誰も相続せず廃車にする場合でも、

名義変更を行わなければ廃車処理はできません

まずは一度相続人の誰か、または全員で名義変更をして相続する形にしてから、

その後廃車の手続きを行うことになります。

ポイント

廃車にする場合でも一度相続人への名義変更をしなくてはならない

運転免許証と違い、自動車の名義変更は後回しになってしまいがちですが、

早い段階から相続人間で誰が自動車を相続するのか決まっている場合には、

なるべく早く名義変更の手続きをしておきましょう。

パスポートの返納

運転免許証に次ぐ身分証明書として大きな効力を持つパスポートですが、

こちらも所有者が亡くなった場合には速やかに返納するのが原則となっています。

パスポートも証明書としての効力が強い分、

運転免許証と同様に盗難・悪用されると大きな被害が出ることがありますので

葬儀終了後、落ち着いてからでいいので早めに返納の手続きをしておきたいものです。

パスポートの返納手続き

以下のものを用意します。

準備するもの

  • 故人のパスポート
  • パスポートの所有者が亡くなったことを証明する書類(除籍謄本など)
  • 念のため、届出人の身分を証明するもの(運転免許証や保険証)なども持参

これらのものを準備した後、最寄りのパスポートセンターで申請書を記入して返納手続き完了となります。

手元に残したい場合

パスポートも運転免許証と同じく、故人の形見として手元に残したい場合は

パスポートセンターにて無効の処置をしてもらえば可能です

残すことを希望するならその旨を窓口で伝えてください

 

旅の思い出が詰まったパスポート。故人との思い出を大切にするためにも、

返納、もしくは無効の手続きを忘れないようにしましょう。

バスの敬老パス、シルバーパス

地域によっては一定年齢以上の高齢者(概ね70歳以上)にバスの運賃が無料、

または格安になるチケット(パス)が提供されることがあります。

東京都なら「東京都シルバーパス」、神奈川県なら「敬老特別乗車証」など、

その名称も様々ですが、所有者が亡くなった場合には

これらのパスも基本的には返却するのが望ましいです

敬老パス、シルバーパスの返却手続き

返却手続きはパスの発行元によって違いがありますので、

パス本体に記載されている発行元に連絡し、指示に従って手続きをしてください

注意点

負担金やチャージしたお金など、パスの返却と同時に何らかの返金があることも考えられますので、発行元に連絡する際には手続きに必要な書類等(身分証明書など)を必ず確認しておきましょう。

バスの敬老パス、シルバーパスなどは手続きをしなくても

大きな害は発生しないように思えますが、

利用する人がいなくなったのならば、早めに返却するのが筋です。

バスの敬老パス、シルバーパスは福祉の一環として実施されているものですので、

生前の個人へのサポートを感謝する意味でも、

速やかに手続きを行った方が結局、故人の名誉につながります。

習い事などの会員証の返却

故人が生前楽しんでいた趣味やスポーツ、習い事があった場合、

教室や施設から発行された会員証なども返却しなければなりません

各種会員証の返却手続き

各団体により手続き方法は異なるので、

会員証に記載されている発行元に連絡して手続きの指示をもらいましょう。

下はフィットネスのコナミスポーツクラブの例です。

会員証の返却(コナミスポーツクラブの場合)

  • まずは故人が通っていた店舗に電話連絡
  • その後、故人の会員証と届出人の身分証明書(運転免許証、保険証など)を店舗に持参して退会等の手続きをする

注意点

退会手続きをする場合、会費や月謝の引き落とし口座に注意してください。すでに口座が凍結されている場合は一切引き落としができないので、それ以外の清算方法を提案してもらう必要があります。また、このような清算金を誰が払うのかについても遺族間であらかじめ話し合っておくことをおすすめします。

 

人が亡くなれば、その方の遺品を整理しなければなりません。

運転免許証やパスポートなどは

その中でも特に整理しづらいものに分類されることが多いですが、

正式な手続きを経れば手元に残せることは先に説明した通りです。

手元に残す場合にはこのような手続きを忘れないようにしましょう。