仏教の法事でやることは?日程や案内、服装や会食について

近しい親族や家族が亡くなるまで法要(法事)について

あまり意識してこなかった方は珍しくありません。

物心ついたときから家族に連れていかれる形で

あまり意義など考えずに出席していた、

という方も多いのではないでしょうか。

しかし、いざ自分が遺族、もしくは法事の施主となった場合は

法要の意義や種類・回数、そして会場や会食の予約や招待状の送付まで

一連の流れを把握しながら能動的に準備を行わなければなりません。

故人を弔いつつ、

準備不足や無作法が原因で親族や知人等との関係が悪化しないよう、

最低限の知識を学び、余裕のあるスケジュールで準備をしていきましょう。

また、法要に関する知識は一度身につけてしまえば決して無駄にはなりません。

親族に万が一のことがあった場合でも、

こうした知識があればいつでも法事準備の手助けができますので、

これを機に法要についての基本についておさらいしましょう。

法要について

法要とは

法要とは仏教の教え・形式にしたがって亡くなった方の冥福を祈る儀式です

一般的には親戚や故人の知人・友人も招かれることが多いので、

亡くなった方の思い出を語り合ったり、

お互いの近況を知る機会になっていることもあるでしょう。

ちなみに法事と法要には意味にさほど大きな違いはありません。

ただ、法事には読経から会食までを含む全体の流れのことを

指すことが多いようです。

法要より法事という言葉の方がよく使われる理由は

このような点にあるのかもしれません。

法要をする意味

仏教では人が亡くなってからの7週間の間、7日に一度、

閻魔庁で生前の行いに審判が下されるとされていますが、

最終的な審判が下るまでは現世と冥土の間をさまよっていることになります。

このような状態の中、死者の霊が無事に成仏できるように7日ごとに、

死亡した日から49日まで供養し続けるのです。

そしてこの49日目に最終的なな審判が下るとされているので、

四十九日とよばれる法要は非常に大切な日であり、

法要のことをよく知らない方も四十九日はご存知の方が多いのではないでしょうか。

四十九日が過ぎた後も百か日忌、一周忌、三周忌、

最終的には百回忌(死後満99年)まで続きます。

しかし実際はそこまで行う例は非常に少なく、

現在では亡くなった日から7日目に行う初七日と

四十九日の法要だけ行うのが一般的です

法要の種類

以下は数ある法要の中でも特に重視される法要の一覧ですので参考にしてください。

重要とされる回忌法要(法事)一覧

  • 初七日法要:死後7日後に行われる法要です。亡くなった方が最初に審判を受ける日ということで大切な法要ですが、葬儀当日に併せて行われることが多くなっています
  • 四十九日法要:先ほど説明した通り、死後49日目に最後の審判が下されることになっていますので特に重要な法要と位置づけられています。この四十九日を一応の区切りとして遺族は喪から通常の日常生活に戻ることになります。(これを「忌が明ける」と表現します)
  • 一周忌:故人が亡くなって一年目の命日に行う法要です。開催するのは基本的には命日とされていますが、招待した方が参列しやすいように土日などに設定されることが多いようです。この一周忌を終えると正式に喪が明け、結婚式などのお祝い事も問題なく行うことができるとされています。また、葬儀で香典をいただいた方には忌明けに香典返しをします
  • 三回忌:故人が亡くなってから満2年で行われる法要です。こちらも土日に設定されることが多くなっています

以上が一般的に重要といわれる法要です。

これ以降の法要を行うかどうかは

遺族に判断に任されることが多くなっています。

法要の準備の仕方

法要の準備は招待する方や

お経をあげていただく僧侶のスケジュールの関係もありますので

早めに取りかかることが大切です。無理なスケジュールを組んだところで

招待した方が参列できなければ意味がないので、

予定日から2カ月前には準備を始めましょう。

準備の流れ

法要の準備は大まかには以下のような流れになります。

1. 施主を決める(法要の2カ月前)

法要の主催者を施主(せしゅ)といいます

施主は遺族や葬儀での喪主だった方でなければならない

という決まりはありませんが、

基本的には喪主であった方が担当するのが一般的です。

どちらにしても、故人と関係が深かった方を施主にするのが好ましいでしょう。

2. 日時・会場の決定と僧侶への依頼(法要の2カ月前)

施主が希望する日時に必ずしも僧侶が対応できるとは限りませんので、

早めに僧侶に法要の依頼をして、スケジュールの確認をしましょう

併せて会場も決めます。会場によっては僧侶が来られない場合もありますので、

距離や交通の面も配慮しながら決めてください

日時が決定したら次は招待する方に案内状を送付します。

3. 案内状の送付(法要の1、2カ月前)

招待する方が決まり次第、案内状を送付します。

四十九日や一周忌などは重要な法要ですので、

できれば多くの方をお招きしてみてはいかがでしょうか。

参列者の人数がわかり次第会食の手配をするので、

なるべく早く返信をいただくようにしてください

4. 会食・引き出物の手配(2、3週間前)

読経やお焼香の後の会食や帰りの際に参列者にお渡しする引き出物の手配をします。

手配までに参列者の人数を出来る限り正確に把握することが理想的です。

5. 卒塔婆の依頼(なるべく早く)

卒塔婆(そとば)とは経文や題目などが書かれた木製の板のことを指し、

供養のために作られるものです

お墓参りの際、

お墓の側に縦長の板が並べてある光景をよく目にしますが、それが卒塔婆です。

ちなみに、

浄土真宗ではこの卒塔婆を使わないことになっていますので覚えておきましょう

 

葬儀後は相続をはじめとする諸々の手続きで忙しくなりますが、

大切な法要の日のことをうっかり忘れて慌てることがないよう、

カレンダーなどに法要の予定日を書くなどしてスケジュールを適宜確認してください。

ポイント

  • 法要の2カ月前あたりから準備を開始するのがベスト
  • 日時と会場の決定は参列者の都合を考慮して決める
  • 会食と引き出物の手配のため、参列者の人数は早めに把握するようにする

法要でのお布施について

法要で読経をしていただく僧侶には

謝礼としていくらかのお布施をお渡しするのが一般的ですが、

金額の相場がわからず、悩む方も多いことでしょう。

以下は重要な法要でのお布施の金額相場ですのでぜひ参考にしてください。

お布施の金額相場

  • 四十九日:3万円~5万円
  • 一周忌:3万円~5万円
  • 三回忌、またはそれ以降の法要:1万円~5万円

場所の移動がある場合には

お車代(いわゆる交通費)も5000円程度お渡しするとよいでしょう。

当日の服装

法要は葬儀とは違うものの、故人を弔い・偲ぶ集まりであることには変わりないので

喪服をを着るべきかどうか迷う方もいます。

昨今は仕事などでも服装の決まりにとらわれない装いが流行していますので、

若い世代の方は意外と悩むかもしれません。

施主

参列者を招く側である施主、遺族は最低三回忌までは喪服を着用しましょう

喪服の着用は義務ではありませんが、

会場の雰囲気と合わせた方が違和感を生じさせず、無難です。

なお喪主の喪服については下記もご参照ください。

喪主の挨拶や服装について注意すべきこと
ポイント

  • 三回忌までは喪服を着用した方がよい

法要当日の流れ

法要の当日の流れはさほど複雑なものではありません。

大体の場合は会場、寺院のスタッフや僧侶から指示がありますので安心してください。

以下は法要の流れです。

読経

僧侶が経文を読み上げます。ここで経文の意味が理解できなくても構いません。

その後僧侶から法話がある場合にはそこでのお話をよく聞くようにしましょう。

読経の時間に

携帯電話やスマートフォンの呼び出し音が鳴るような事態は避けてください

電源を切るか、マナーモードなどに設定し、音がならないように心がけましょう。

仕事などでどうしても対応しなければならないことがあらかじめわかっている場合は、

離席しやすい場所に座ってください。

焼香

焼香とは死者に対して香を焚いて拝むことをいい、

故人に敬意を示す意味があるとされています。

おしいただく(手にとったお香を額あたりに持っていく動作)回数は

宗派によって以下のような違いがありますので参考にしてください。

宗派別おしいただき回数

  • 浄土宗:定めなし
  • 天台宗:定めなし
  • 日蓮宗:1回
  • 真言宗:3回
  • 臨済宗:1回
  • 浄土真宗:おしいただきなし。1回手にとったお香をそのまま香炉に落とす
  • 曹洞宗:1回目はおしいただき、2回目はおしいただきなし

上記のような知識がなくても、

お焼香の前に僧侶から作法や回数について説明があることもあります。

説明がない場合はスタッフなどに尋ねても失礼には当たりません。

また、回数を間違ってしまった場合であっても

大事なのは故人を偲ぶ気持ちですので、あまり気にしないようにしましょう。

法話

読経を終えた僧侶から数分、

仏教の教えや遺族の心得などの簡単な話をされることがあります。

これを法話といいますが、話によっては大変感銘を受けたり、

気持ちが癒されたりすることもあるのでぜひ、耳を傾けてみてください。

お墓参り

法話の後はお墓参りをします。

移動が必要な場合は施主が積極的に参列者を誘導しましょう。

車などで移動する場合にはその旨をあらかじめ伝えておいた方が混乱せずに済みます。

会食(お斎)

最後に会食をします。

この会食を「お斎(おとき)」と表現することがあります。

会食が始まる前に施主が一言簡単に挨拶をする場合には

前もって話す内容を考えておいてもよいかもしれません。

以下は簡単な挨拶の例ですので参考にしてください。


本日はお忙し中、○○の一周忌の法要のご参列いただきましてありがとうございました。
○○が亡くなってからあっという間に一年が経ちまして、今ようやく気持ちも生活も落ち着きつつあります。どうにかここまで来られましたのも、皆さまの支えと励ましがあったからこそだと、遺族一同心から感謝申し上げます。
ささやかではありますが、お酒と食事をご用意していますので、ぜひくつろいでお召し上がりください。
本日は誠にありがとうございました。

法要のサービスについて

上記で説明した法要準備の方法のほか、

法要に関連する一連の手続き・手配を一括して代行してくれるサービスもあります

多忙を極める方や知識に自信がない方はぜひ利用してみましょう。

供養する気持ちが一番大切です。

 

法要には人が亡くなったことを受け入れる、という意味合いもあります。

四十九日の法要あたりでようやく亡くなった実感がわき、

改めて悲しみがこみ上げてくることがありますが、そのようなときだからこそ、

親族や友人・知人を集めて故人を偲ぶことは精神的な癒しになります。

最近では法要をはじめとする儀式が簡略・省略される傾向が見られますが、

これを機にもう一度儀式の意義について考えてみると、新しい発見があるかもしれません。