葬儀の形式、費用は?一般葬や家族葬、密葬など

人生最後を締めくくる“葬儀”は、

故人にふさわしい形で行いたいと考える遺族も多いことでしょう。

しかし、実際に葬儀を執り行うのは遺族ですから、

形式や規模など故人の遺志だけでなく、現実的な問題も絡んでくるものです。

その擦り合わせには“葬儀に関する知識”を持っておくことも大切です。

ここでは、多様化する葬儀形式や費用などについてわかりやすく解説しています。

宗教による葬儀の形式と費用

葬儀には宗教観が最も反映されるといいます。

確かに結婚式を教会であげることはあっても、

葬儀も教会…という人はキリスト教を信仰している人が大部分です。

あまり宗教を意識せずに生活している人の中には、血縁者の葬儀や墓の問題に直面して、

初めて自分の家の宗派を知ったというケースも少なくありません。

つまり、日常的に宗教とかけ離れた生活を送っていたとしても、

“弔い”に関しては宗教を意識せざるを得ないのが多くの日本人の現実と言えるでしょう。

まずは宗教にスポットを当てて、葬儀の形態と費用を見ていきましょう。

仏式(仏教)

インド発祥の仏教が6世紀に日本へと伝来、その後、国策の影響もあって広く信仰され、

現在では8400万人余りが仏教徒といわれています。

ふだんは仏教を意識していなくても、

国内の葬儀の約9割が仏式というデータがあるほど、葬儀の種類として一般的なのです。

しかし、教義によって“宗派”に分かれており、

伝統的な宗派は13宗(浄土宗、浄土真宗、日蓮宗、曹洞宗、臨済宗など)あります。

仏式の葬儀では経をあげ焼香をするものですが、

宗派によっては葬儀の飾りつけや経・作法に差がみられるものもあるので

注意しましょう。

 
仏式では、死亡翌日に「通夜(本通夜)」翌々日に「葬儀・告別式」と「火葬」

最近ではこれに続けて「初七日法要」も行うのが一般的です。

その後、忌明けとなる死後49日目あたりに「四十九日法要」と「納骨」をします。

葬儀全般の流れについてはこちらの記事をご覧ください。
仏式の通夜の流れとは?時期や準備、会食について 仏式の葬儀・告別式の流れとは?時期ややることまとめ

 
仏式の葬儀を行う場合、欠かせないのが寺・僧侶への謝礼金(お布施)で、

日本消費者協会が実施したアンケートによると、約20万~80万円にもなるそうです。

これは菩提寺の住職と葬儀社が手配した僧侶の場合では金額に差が見られ、

一般的には前者の方が高額となる傾向が見られます。

菩提寺には先祖代々だけでなく、これからは故人もお世話になるわけですから、

その辺り配慮もあって相場が高くなるようです。

また、位の高い戒名をもらったり葬儀の規模が大きくなったりすれば、

費用もさらにかかります

神式(神道)

仏教伝来よりも古く、『古事記』『日本書紀』に記された日本古来の宗教が神道です。

初詣や七五三の時、神社にお参りしたりお祓いをしてもらったりするのが、

最も馴染みのある神道との関わり方ではないでしょうか。

 
日本に根差した宗教でも、仏教とは異なる部分がたくさんあります。

まず、“死”を穢れたものとするため、葬儀一切を神社では行わず

神官を葬祭会館など別の場所に招いて行う点です。

また、葬儀全般のことを「神葬祭」と呼び、通夜は「通夜祭」と「遷霊祭」

葬儀・告別式は「葬場祭」といいます。

仏式でお馴染みの読経や焼香は行われず、

祭詞奏上」や「玉串奉奠」、また清めの儀式として「手水の儀」などを行います。

さらに、祭壇の飾りつけや供え物も神式用のものを準備する必要があります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。
神式の通夜・葬儀の流れとは?時期とやることまとめ

神式の場合も神官に謝礼金を渡しますが、

一般的に仏式よりも安価で、相場は10万~20万円程度といわれています。

準備にかかる費用も祭壇などが簡素で戒名料もかからないことから、

仏式の葬儀よりも割安で行えることが多いようです。

しかし、先祖代々が神道でない場合は、神式の墓を用意しなければなりません。

墓は神社にはありませんから、霊園などに新たに墓地を用意する必要が生じ、

そのための費用は別途必要です。

葬儀の費用は安めでも、トータルで見ると高額になるケースもありますから、

もともとの信者でない場合はよく調べてからにしましょう。

キリスト教式(キリスト教)

世界で最も信者数の多いキリスト教ですが、

国内の信者数は1%に満たないと言われています。

キリスト教にも宗派がありますが、

日本ではほとんどが「カトリック」か「プロテスタント」のどちらかです。

両者には用語や式の進行などに違いがありますが、

死生観は共通で、死は神の御許への旅立ちであり、悲しみだけではないという点です。

また、偶像崇拝を禁止していることから“供え物をする”という概念がありませんので、

白のユリなどを基調とした花で飾る程度のシンプルな祭壇となります。

 
キリスト教の場合、葬儀は教会で行うのが一般的です。

カトリックでは仏式の通夜を「通夜のつどい(通夜の祈り)」、葬儀を「葬儀ミサ」

プロテスタントではそれぞれ「前夜祭」、「葬儀式」といいます。

読経や焼香は行わず、祈りや聖書の朗読、聖歌・讃美歌斉唱、

オルガンの演奏、献花などが行われます。

これらは教会側(神父または牧師)が主催しますが、告別式は喪主が執り行います。

教会への謝礼が必要となりますが、

一般的に仏式よりも安価で、相場は10万~20万円程度が多いようです。

ただし、キリスト教式の葬儀は信者でないと行ってもらえないことが多いので、

注意しましょう。

詳しくは下記を参照してみてください。

キリスト教の通夜・葬儀の流れとは?時期とやることまとめ

無宗教式・自由葬

特定の宗教の祭事によらない葬儀のことを「無宗教式」または「自由葬」といいます。

前述の通り、私たち日本人の多くはあまり宗教を意識しないで生活していますから、

葬儀の時もその考えで良いという人が無宗教式を利用することが多いようです。

また、宗教よりも故人らしさを優先したいという場合の選択肢にもなります。

これには死生観が大きく影響しますから、

故人の遺志だけでなく親族の意見も尊重して決めるようにしましょう。

 
無宗教式では葬儀に決まった進行はなく、極端にいえば祭壇も必要ありません。

そのため、式の組み立てをすべて考えなければなりません

その一方で、こだわりたいところには好きなだけこだわれるというメリットもあります。

例えば、読経・祭詞奏上・祈りなどは行わずに黙祷をして、

あとは友人・知人の贈る言葉や献花などだけというシンプルな葬儀も可能ですし、

故人の趣味に合わせて生演奏の音楽で送ったり、写真やビデオを上映したり…

といったこともできます。

祭祀を行う者(僧侶、神官、神父・牧師)が関わらないため、

謝礼金が発生しないのが費用面の大きな違いですが、

こだわりの式にすればするほど他方面での経費は膨らんでいきます。

予算の見積もりにも注意しましょう。

 
無宗教式で行う場合の最大の留意点は「どこに納骨するか」です。

葬儀を無宗教式で行うと、寺の墓への納骨を受け入れてもらえないことがあるので、

事前に確認することをおすすめします。

また、その後も続く法要(神道なら霊祭、キリスト教なら追悼儀礼)を

どう行うのかも関係してきますね。

葬儀だけの問題ではないということも知っておきましょう。

葬儀のスタイルによる形式と費用

最近では葬儀が簡素化する傾向にあり、葬儀のスタイルも多様化しています。

背景には、

  • 従来の形式に捉われない葬儀への抵抗感が少なくなったこと
  • 大々的に行うよりも少人数でゆっくりと故人を見送りたいという人が増えたこと
  • 核家族化や地域への密着度の低下

などが考えられます。

ただし、葬儀規模の大小や見送り方に違いはあっても、

宗教によるかよらないかは別の話であることを忘れてはいけません。

つまり、最も簡素な「直葬」を選んだとしても、

僧侶を招いて読経してもらえば仏式の一つとなるということです。

ここでは、祭祀を行う人への謝礼金を除いた金額で紹介していきますので、

宗教葬にする場合は必要な謝礼金額を上乗せして考えてくださいね。

また、金額はあくまでも目安です。

同じ規模の葬儀にしても葬儀社によっては費用に大きな差が出ることもありますので、

必ず見積もりを取るなどして確認するようにしましょう。

なお、規模が小さいほど費用は掛からない傾向にありますが、

意外な落とし穴やデメリットもあります

主な点は表にまとめてありますが、詳しくは各項をご覧くださいね。

《 葬儀の規模によるメリット・デメリット 》
葬儀スタイルメリット デメリット
一般葬・伝統を重んじた式ができる。
・故人の縁を尊重できる。
・多くの人に見送ってもらえる。
・接待やもてなしが必要。
・費用がかさむ。
・落ち着いてお別れができない。
家族葬・身内だけなので気疲れしない。
・ゆっくりと別れができる。
・葬儀スタイルを自由に選びやすい。
・故人との縁を尊重できない。
・自宅での弔問客対応が必要。
・香典などの収入は減る。
・スタイルによっては費用がかさむ。
・親戚などの賛同が得られにくい。
密葬・身内だけの別れの時間を設けられる。
・本葬を行うための準備ができる。
・故人の死を隠し通す必要がある。
・訃報が知れ渡った場合、準備ができていないので対応が困難。
直葬・費用が抑えられる。
・参列者への対応が不要
・儀礼などが不要
・親族などの理解を得にくい。
・遺族の気持ちの整理が難しい。
・菩提寺などに納骨できない可能性がある。
・葬祭費用の補助が得られない。

一般葬

一般葬イメージ
伝統的な葬儀スタイルで、遺族・親戚だけでなく、

故人の友人・知人に広く知らせて参列してもらいます。

一般葬を行う人は減少傾向にありますが、

  • 伝統を重んじる人
  • 交友関係の広かった人
  • 故人の社会的地位が高かった場合
  • 在職中だった場合

などに選ばれることが多いようです。

故人の縁を尊重することができ、多くの人に見送ってもらえたり

生前の様子などをうかがい知ることができたりする葬儀となります。

 
一方で、一般葬には弔いの儀礼といった意味合いだけでなく、

参列者に故人との別れの場を設け、

それへの感謝として遺族がもてなすといった側面(返礼品、会食など)もありますから、

費用もかさみがちです。

(一財)日本消費者協会 「葬儀についてのアンケート調査(2017年)」によると、

葬儀本体・飲食接待を含めた葬儀費用の全国平均は約148万円

これに仏式で行ったときの謝礼金(お布施)を上乗せした額は約196万円となるそうです。

また、故人と付き合いのあった人たちを幅広く呼びますから、

遺族と参列者に面識がない可能性もあります。

こういった気遣いが生じることもあり、

故人との別れの時間をゆっくりと過ごすことができないといった

デメリットも見られます。

家族葬

家族葬イメージ

一般葬が広く友人・知人に声を掛けるのに対し、

遺族・親族とごく親しい友人のみで行う葬儀が「家族葬」です。

家族葬は一般葬に代わって増加傾向にあり、この背景には、

  • 自分たちのやり方で故人を送りたい
  • 故人が高齢なので、親族以外に招く人が少ない
  • 葬儀自体を簡素に行いたい

といった人が増加したことがあげられるでしょう。

家族葬のメリットは、身内やごく親しい人だけでの葬儀となるため、

接待に追われることなく落ち着いて別れの時間を過ごすことができます。

また、会食などのもてなしや返礼品なども省略したり、

用意したとしても少なくてすんだりなど、準備も簡略化することができます。

 
一方で、参列できなかった人が後日弔問に訪れることがあり、

四十九日までの間、必要に応じて自宅での接待が必要になる可能性があります。

葬儀であれば数日で済むわけですから、

1か月以上弔問客に供えて準備をしておくことは大変かもしれません。

故人の縁のすべてを尊重しきれないという側面もありますね。

また、葬儀の費用は抑えやすくなりますが、

香典などの収入も減るため、自己負担額の割合は大きくなることがあります。

家族葬は遺族と参列者が親戚同士なので、初めから香典辞退とすることも多いため、

香典返しの手間は省けますが、収入はゼロとなるケースもあり得るのです。

逆に、こだわりの葬儀にしたために葬儀費用が予想以上に膨らむこともあります。

いずれにせよ、従来の葬儀とは異なる点が多くなるため、

親戚の賛同が得られにくいこともあり、調整や説得が必要となることもあります。

 
一般的な家族葬の費用は葬儀本体のみで50万円前後といわれています。

もちろん、家族葬にしても親戚が多ければそれなりに費用はかさみますので、

注意しましょう。

僧侶などを呼んで宗教葬にしたり、会食を用意したりすればその分が追加されますので、

どこまで行うのかよく相談して決めると良いでしょう。

 
なお、家族葬を「密葬」と表現することもありますが、これは適切ではありません。

密葬のあとには本葬があるのが一般的なので、「密葬を終えました」と通知すると

「本葬はいつだろう」と誤解を与えてしまうこともあるのです(次項参照)。

身内中心の一回の葬儀ですべてを終える場合は「家族葬」という方が良いでしょう。

密葬

遺族・血縁者と近親者だけに訃報を伝えて行うのが「密葬」で、

後日、他の人にも伝えて「本葬」や「お別れの会」などを執り行うのが前提です。

密葬だけで終わらせる場合は「家族葬」というべきなので、

ここでは本葬前の葬儀としての「密葬」を説明していきますね。

 
密葬を行うのは芸能人や著名人、大企業の取締役などが中心で、

一般の人はあまり行いません。

大勢の参列者が予想される場合、

遺族が故人との別れの時間を十分に取れなかったり対応の準備が必要だったりするため、

早急に行わなければならない火葬までを身内だけで秘密裏に済ませること

本来の密葬なのです。

そして、密葬を済ませ故人が遺骨となってから、

多くの参列者に対応できる「本葬」への準備を進めていきます

本葬は「社葬」や「団体葬」、「(ファンとの)お別れの会」などとして

執り行われます

会場にはある程度の広さが必要であり、相応の内容にしなければなりませんから、

準備の時間が必要というわけです。

ですから、密葬にはそんなに費用がかからなくても、

本葬ではかなりの金額が必要といえるでしょう。

 
なお、一般の人でも密葬を行うことがあります

それは年末年始など人が集まりにくい時期に亡くなった場合です。

現在では“エンバーミング”といって遺体を保存できる技術もありますが、

まずは身内だけで火葬まで済ませ、

時期を見計らって本葬を行い、他の人にもお別れをしてもらうというものです。

遠方で亡くなった場合も密葬と本葬を行うことがあります

直葬(火葬式)

直葬(火葬式)イメージ

通夜や葬儀・告別式などの儀式を行わず、

火葬場で簡単なお別れをして火葬することを「直葬(または火葬式)」といいます。

以前は身寄りが少なく参列者が見込まれない場合に利用されていましたが、

近年では宗教や形式に捉われない人が増えたこと、

費用が極端に抑えられることから増加しつつあります。

また、参列者が少ないため対応の必要もなく、香典返しなどもほとんど不要なため、

葬儀全般の煩わしさが少ないお別れのスタイルということもできるでしょう。

 
直葬は、臨終を迎えた後、遺体を引き取って24時間以上安置し、

火葬場に搬送して火葬・骨上げするという流れになります。

儀式的な要素がほとんど省かれるため、専用の用具や祭壇などは不要ですが、

遺体の搬送、安置のためのドライアイスや棺、花、

火葬の費用、骨壺、葬儀社のスタッフなどは必要なので、

およそ20万~30万円はかかります。

また、法律上、死後24時間を経過しないと火葬できないため、

それまで遺体を安置しなければなりません。

1日であればドライアイスで自宅安置も可能ですが、場所が確保できない、

あるいは火葬場が混んでいて数日安置しなければならない場合などは

死体安置所を借りる必要があります。

供養をしたければ、火葬の前に経をあげてもらうなど儀式を追加することも可能です。

「火葬」と「骨上げ」の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
火葬の流れと骨上げの作法とは?時間や順番・箸の使い方

 
このように非常にシンプルな別れの式となるため、費用や手間が抑えられる反面、

親戚などがいるのに執り行うと別の問題も生じやすいのが直葬です。

例えば、

  • 儀礼を伴わないので、他者(特に親戚)の理解を得にくい
  • 故人を見送った実感が持てず、気持ちの整理ができない
  • 参列したかった人が自宅へ弔問に訪れるので、対応が必要

などです。

さらに注意が必要なのが、


葬儀(供養)を行わなかったために菩提寺に納骨できないというケース

です。

宗教的儀式を行っていないため供養できていない、

菩提寺との関係を軽視しているなどと受け止められてしまうこともあるからです。

どこに納骨するかも含めて、十分な相談と確認をしておくことをおすすめします。

また、直葬は“葬儀ではない”と解釈され、

葬祭費用として補助が受けられないことがあることも、覚えておきましょう。

葬儀にまつわる補助についてはこちらをご覧ください。
葬儀における給付金(葬祭費、埋葬料)の申請について

どのように選べば良いか

近年は葬儀の自由度が増し、様々な形式の葬儀があります。

加えて、エンディングノートや話し合いなどで

「こういう葬儀にしてほしい」という意思を

生前に故人が家族へ伝えることもタブー視されない風潮

変わってきています。

ところが、故人の希望を叶えたいという遺族の気持ちはあっても、

実際に葬儀を取り仕切るのは遺族です。

参列者へ対応する遺族の体面もありますし、金銭的な問題も大きなポイントですね。

では、どのように葬儀の形式を決めればよいのでしょうか?

特に事情がない場合、次の優先順位で葬儀の形式を考えていくとよいでしょう

① 故人の宗教や遺志を優先する

故人と家族が異なる宗教の場合は、故人の宗教・宗派を優先させましょう。

死生観は葬儀における最も重要なポイントですから、

本人が信仰するものに基づいて葬儀を行いましょう。

家族の中で故人だけが無宗教で、無宗教式を希望していた場合、

遺族は供養ができないと不安に感じるかもしれませんが、

自分の死生観・宗教観を押し付けるのも一方的なので、

ここは故人の気持ちに添う方が良いでしょう。

ただし、注意すべき点もあります。

無宗教あるいは他宗教で葬儀を行った場合、

寺などにある先祖代々の墓に入れないケースや、

その後の法要や追悼儀礼を行ってもらえない可能性があるからです。

祭祀者と墓所の両方に確認しておきましょう。

 
また、葬儀の規模についても故人が言い残していることがあります。

可能であれば希望の通りにしてあげるのがいちばんですが、

諸事情もあると思うので、他項も併せてご覧ください。

② 葬儀費用を把握する

故人が希望する形式の葬儀にしたとしても、

多くの場合、その費用の支払い義務があるのは喪主や遺族です。

予算内に納めないと、遺族が困ることにもなりかねません。

必ず見積もりを取り、複数の葬儀社のプランを比較してみましょう。

 
『直葬』の項でも触れましたが、

最小限の式だけで見送るにしても費用(20万~30万円程度)は必ず発生します。

あとは通夜などの宗教的儀式やそれに必要な祭壇・会場と謝礼のための費用、

参列者への飲食接待などの費用が葬儀スタイルに応じて加算されていくわけです。

規模が大きくなれば費用はかさみ、小さければそれなりに抑えられますが、

人気の「花祭壇」などにすると花代が意外とかかることも知っておきましょう。

 
なお、飲食接待費には弔問へのお礼(返礼品)、香典をくれた人へは香典返し

場合によっては通夜振る舞いや精進落としなどの会食接待などの費用も必要です。

遠方からの参列者には宿泊施設を用意することもあります。

これにもどの程度の予算を掛けるか、よく話し合って決めましょう。

費用の詳細については別項を、

返礼品や香典返しについての詳細はこちらをご覧ください。
葬儀・法事の返礼品、香典返しのマナーや相場、渡し方とは?

③ 喪主・遺族の事情を考慮する

故人の希望を叶えると不都合が生じる場合もあります。

例えば、故人が盛大な式を希望しても、予算的に叶えられないこともあるでしょう。

この場合、ないお金を出すことは不可能ですから、予算の許す限りの対応で十分です。

葬儀費用の工面のために残された家族が長期にわたって辛い思いをするのは、

故人も願わないでしょう。

また、菩提寺との関係がこじれたり、親戚との関係が極端に悪くなったりして、

それが長期にわたる可能性があるのなら、

希望に添えなくても仕方がないかもしれません。

 
一方で、故人が身内だけの簡素な葬儀を望んだとしても、

近所付き合いや親戚、遺族の交友関係などから

あまりにシンプルな式では体面が悪いということもありますね。

しかし、故人が望んだ式を叶えられるのに、

自分たちの気持ちを最優先にするというのは、少々問題があると思います。

なぜなら、葬儀の主役はあくまでも故人だからです。

叶えてあげられるのであれば、実現してあげましょう。

喪主や遺族の体面の問題もありますが、

「故人の遺言なので」「故人の希望を叶えてやりたかったので」などと事情を話せば

大きな問題にはなりにくいと思います。

ただし無理は禁物なので、自分たちの立場や相手との関係性も考慮して、

よく話し合うようにしましょう。

葬儀費用の内訳

最後に葬儀にかかる費用の内訳の例を、

高額であるものの最も多く行われている“仏式での一般葬”で見ておきましょう。

《 仏式一般葬の費用の例 》
項目

相場
【 葬儀本体 】
基本セット
(祭壇、受付などの設置費、ドライアイス代、
搬送費、骨壺、葬儀社スタッフの人件費など)
30万~500万円以上

(合板、布張りなどグレードあり)
2万~10万円
遺影 5万~10万円
火葬 公営:無料~3万円程度
民営:4万~5万円が平均的
葬儀式場(斎場)5万~50万円程度
【 飲食接待費 】
返礼品
(通夜・告別式双方で渡すときは2倍)
1人あたり
500円~1,000円
通夜振る舞い1人あたり
2,000~3,000円程度
精進落とし1人あたり
3,000~1万円程度
香典返し1人あたり
3,000~4,000円程度
【 寺院費用 】
お布施
(戒名、通夜・葬儀・告別式・火葬場
・初七日法要での供養などをまとめて)
20万~80万円程度
お車代・御膳料
(その都度)
各1万円程度

表で示したように、葬儀費用は「葬儀本体」「飲食接待費」「寺院費用」の3つで

構成されています。

葬儀費用のポイント

葬儀本体 + 飲食接待費 + 寺院費用 = 葬儀費用

ですから、宗教的な要素を取り除けば「葬儀本体」と「飲食接待費」のみとなりますし、

参列者が少なければ「飲食接待費」はその分軽減できます。

さらに、葬儀を簡素に行えば「葬儀本体」の中の

祭壇や棺・遺影・場所代などの費用を抑えることもできるわけです。

ただし、直葬の項で触れたように、

どんなに省いたとしても遺体の搬送・保管・火葬はしなければなりませんから、

寝台車・ドライアイス・棺と花・火葬の費用と

それらを手配するための人件費などは必要となることを知っておきましょう。

 
そして、注意しなければならないのが、

葬儀社によって「葬儀本体」に含まれるものが異なる”という点です。

例えば、火葬の費用や送迎のためのマイクロバス、

会葬礼状などが含まれているかいないか…など、細かい違いがあるということです。

また、通夜などの受付を外に設けた場合のテント代や

式の進行を依頼すると司会代が追加で発生、ということもありえます。

葬儀にまつわるトラブルの多くは、こういった内訳の不透明さにあることが多いのです。

ですから、内訳にも細かく目を通し、複数の葬儀社から見積もりを取ることが重要です。

一見すると安い見積もり価格でも、

追加料金ばかりで結果的に高額になったというケースも少なくありませんので、

きちんとした説明を求めることをおすすめします。

費用面に関しても親身に答えてくれる葬儀社は信頼がおけると言えますね。

慣れない葬儀でわからないことだらけの遺族を

きちんとサポートしてくれる葬儀社を見つけるようにしましょう。