葬儀や弔問に行けないときのマナーについて

“訃報”が届いたものの、会社や学校があったり葬儀会場が遠方だったりして、

参列が難しいこともあります。

対応によっては遺族に失礼になったり、いらぬ波風を立ててしまうこともありますから、

十分な配慮が必要と言えるでしょう。

また、忌引きを利用すれば参列できることもあります。

ここでは、葬儀や弔問に行けない(行かない)ときのマナーや対応について、

詳しく説明しています。

きるだけ出席が基本

弔事に限らず、冠婚葬祭には招かれたら出席するのがマナーです。

中でも通夜や告別式は故人に別れを告げる最後の機会ですから、

できるだけ出席するようにしましょう。

招いた人たちに見送られて故人が旅立つということは、

遺族にしてみれば大きな慰めになるものです。

弔意は故人だけでなく遺族に対しても示すべきものなのですね。

通夜や告別式に予定が入っていても、調整できないか考えてみましょう

忌引きを検討

大人なら仕事、子どもなら学校などがあることが多いですね。

通夜や葬儀・告別式に出席するにはこれらを休まなければならないこともあり、

会場との距離によっては半日~数日の休みが必要になることでしょう。

「休みは取りづらい」という人もいると思いますが、

日本ではほとんどの会社・学校に親族の葬儀による「忌引き」制度がありますから、

仕事・学校があるから行けないと決めつけず、利用できるか検討してみましょう。

ただし、親族以外(友人・知人)の場合は忌引きにはならないので、気をつけましょう。

忌引きで休める日数

細かい規程は組織によって異なりますが、

忌引きの場合、故人との血縁関係によって取得可能な日数が定められています

一般的な例をあげておきますが、詳細は担当者に確認するようにしましょう。

《 忌引き日数の例 》
故人との関係 忌引き日数
自分の父母7日間
5日間
自分の祖父母
自分の兄弟・姉妹
配偶者の父母
3日間
自分のおじ・おば

配偶者の祖父母
配偶者の兄弟姉妹
1日間

自分の父母が亡くなった場合の忌引き日数がいちばん長いですね。

これは、申請者本人が喪主など葬儀を取り仕切る立場になったり、

役所や銀行など平日に行うべき手続きなどが生じたりする可能性が高いからです。

通常、忌引きで取得した日数の中に土日祝日が含まれる場合は、それも含めて数えます。

会社の場合は年次有給休暇とは別に忌引き休暇を設けているのが一般的で、

有給扱いとするところが多いようですが、

中には有休扱いでないケースもありますので注意しましょう。

ただ、忌引きはいつ発生するか予測できない休暇なので、

仮に有休を使い切っていたとしても、後ろめたく感じる必要はありません。

忌引き制度があるということは、休む権利が保障されているということだからです。

会社指定の手続きをして、忌引きの申請をするようにしましょう。

多くの学校では、忌引き休暇は必要出席日数から減算して考えられるので、

結果的に「欠席」扱いにはなりません

公立の小・中学校の場合は口頭連絡で済むことも多いですが、

中には書類の提出が必要なところもあるので、連絡するときに確認すると良いでしょう。

忌引き申請時のマナー

まず、会社なら担当部署と上司、学校なら担任に次の事項を伝えます。

申請時に伝えること

  • 故人と自分(学校の場合は子ども)との関係
  • 通夜・告別式の日程
  • 休暇中の連絡先
  • 休む予定日数


漏れがあると取得日数に影響することもありますから、気をつけてくださいね。

会社を休む場合は同僚や上司に迷惑をかける可能性もありますから、

申請と同時に周囲の人々にも忌引き休暇であることを伝えておきましょう

急に連絡すべき事態が起きても、忌引き中は連絡が取りにくくなるため

トラブルに発展することもありますが、

事情を知っていれば通常の有休と違う状況にあることを理解してもらえるので、

スムーズに対応してもらえます。

また、故人がごく親しい血縁者(親など)の場合は参列してくれることもありますから、

式の予定も伝えておくと良いでしょう。

休暇が終わって出社した時は、周囲の人々に「ご迷惑をお掛けしました」とお詫びし、

香典などをもらっていれば併せてお礼を伝えましょう

欠席の伝え方

どんなに出席したくても、調整できない用事という場合もあります。

あるいは、出席するつもりだったのに、急に体調を崩してしまうことだってありますね。

また、親族なら忌引き休暇が申請できても、知人となると休みが取りづらくて行けない、

というケースもあります。

 
いずれにせよ、通夜・告別式のいずれにも参列できない場合、

必ず喪主または遺族に欠席の連絡をいれましょう。

心苦しいかもしれませんが、遺族には様々な準備があるので、

欠席を伝えるのがマナーです。

特に、故人と親しい間柄の場合は、

通夜振る舞いや精進落としなどの準備をしてしまうかもしれないので、

通夜か告別式のどちらかを欠席する場合も連絡した方が良いでしょう。

 
予定があって明らかに出席が難しい場合は、

訃報を受けた時点で欠席の旨を伝えましょう

電話やメールで知ったのならその時に伝えるのがいちばんですが、

手紙の場合や急に行けなくなったときは電話かメールですぐに連絡するようにします。

故人や遺族との関係にもよりますが、メールでも失礼に当たらないという間柄であれば、

忙しい遺族を電話口に呼び出すよりもメールの方が親切な対応かもしれません。

 
欠席の伝え方は、電話でもメールでも“短く・簡潔に”がポイントです。

なぜ参列できないかなどの理由を話す必要はありません

いろいろと掛けたい言葉もあるかと思いますが、遺族は非常に忙しい状況にあるので、

欠席の連絡とお悔やみ程度に留めるようにしましょう。

例文をあげておきますね。

電話での例

心よりお悔やみ申し上げます。
あいにくやむを得ない事情がありまして、通夜(告別式)に参列できません。申し訳ございません。
メールでの例

〇〇様のご逝去の知らせを伺いましてご連絡いたしました。
お伺いしたいのですが、どうしても都合がつかず参列できそうにありません。大変申し訳ございません。
〇〇様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

なお、電話やメールでのマナーはこちらの記事で詳しく触れていますので、

併せてご覧ください。

訃報の返信のマナーとは?注意点はなに?

また、通夜・告別式には行けなくても、後日弔問できるのであれば

その旨を添えてもいいですね。

 
また、都合が悪くなくても

通夜・告別式とも出席したくない」ということもあると思います。

訃報を知らせるのは遺族なので、

あなたと故人との詳しい関係や何があったかは知る由もありません。

しかし、そういった事情を知らないからこそ連絡してきたわけですから、

無断で欠席したら遺族を傷つけることにもなりかねません。

出席したくないのだとしても欠席の連絡を入れるのがマナーというものです。

上記の例の通り、当たり障りのない表現で、欠席を伝えておくようにしましょう。

失礼のない対応法

やむを得ず欠席する場合でも、連絡を入れるだけでなく“弔意を表す”ことも大切です。

…というのも、本来なら通夜や告別式に参列して

直接遺族にお悔やみを述べ、香典を渡すのが正式だからです。

 
弔意の表し方は故人との関係の深さで判断するのが一般的です。

欠席の連絡を入れた時にお悔やみを伝えたから十分…というのであれば構いませんが、

参列できない代わりの対応を…と考えるのであれば、

次のような方法で弔意を示すと良いでしょう。

弔意の表し方

  • 弔電
  • 供花・供物
  • 香典


弔電申込も簡単で、時間的に余裕がなくても手配できることが多く、

安価なものから高価なものまで選択肢が広いのが特徴です。

たくさんの例文が揃っているので選ぶだけで済んだり、

自分なりの言葉で送ったりすることもできます。

 
弔電だけでは淋しいという場合は、

葬儀会場の祭壇にお供えする花や品物(供花・供物)を送ることもできます。

自分でお店から手配することもできますが、時間的に間に合わないこともあるので、

葬儀社に依頼する方が確実といえるでしょう。

 
そして、参列できない場合、

最も一般的で最大の弔意の表し方ともいえるのが香典を渡すことです。

後日弔問できるのであればその時に持参するのが一番ですが、

弔問できない場合でも代理人をたてて持参してもらうか、

現金書留で郵送するのがマナーにかなった対応です。

郵送の場合は欠席のお詫びやお悔やみなどを

手紙にしたためて同封するようにしましょう。

ただし、香典の表書きは宗教や時期によって異なりますし、

金額は故人との関係性や香典を送ったタイミングなどで変わってきますから、

注意が必要です。

 
これらの対応やマナーについては下記記事にて詳しく紹介していますので、

併せてご覧ください。

出席か欠席かの判断

冒頭で述べた通り、通夜・告別式には出席するように努力するのがマナーです。

結婚式などの慶事と弔事が重なった場合でも、基本的には弔事を優先させましょう。

結婚式には出席できなくても新郎新婦に会う機会はありますが、

通夜や告別式は故人との最後の別れだからです。

ただし、自分の子どもの結婚式などの場合は例外です。

理由を述べる必要はありませんので、

“どうしても都合がつかず”・“諸事情により”などとして欠席を伝えましょう。

 
また、妊娠中に葬儀に参列するのは良くないという迷信があるので、

出席か欠席か悩むかもしれませんが、参列して弔意を示すこと自体は問題ありません

ただし、精神的・肉体的に不安定な時期ですので、

心配でしたら欠席の連絡を入れましょう。

また、故人が幼い子どもの場合は遺族の心情を配慮して、

参列を遠慮する方が良いかもしれません。

 
出席か欠席かの判断は、故人との関係性や複雑な事情が絡むので、

決めつけることはできませんが、

予定があっても調整できるものであれば基本的には通夜・告別式のどちらかに参列し、

難しい場合は参列・弔問以外の方法で弔意を表すのが良いでしょう。