葬儀や通夜、告別式のマナーについて

故人との最後のお別れとなる「通夜」「葬儀」「告別式」。

悲しみに暮れる遺族に対しても、きちんと弔意を表したいものです。

しかし、慣れない場では気づかぬうちに

遺族に不快感を与えてしまうこともあるかもしれません。

ここでは、仏式の葬儀などに参列する際に知っておいた方が良いマナーについて、

詳しく紹介しています。

 

参列するときの心構え

遺族から訃報が届いたときは、驚きのあまり言葉も出ないかもしれません。

悲しみは簡単には拭えませんが、少しでも時間をおけば落ち着きを取り戻せるものです。

「葬儀・通夜・告別式」では改めて弔意を示し、故人を偲びつつお別れをしましょう。

大袈裟な言葉は必要ありません。

遺族と悲しみを共有するという気持ちが大切です。

 
時には会社関係・遠い親戚・代理での参列など、

故人との関わりが深くない場合もあります。

そのような時も決して他人事にはせず、

遺族の心中を思いやった言動が求められるのが弔事です。

慎み深い態度で参列しましょう。

参列時のマナー

参列するとなると、服装持ち物挨拶の仕方言葉遣い

葬儀などの流れ決まり事などがあるのか、気になりますよね。

ここでは、直面しやすい悩みや疑問点を踏まえて、具体的に紹介していきましょう。

服装・身支度

参列することを決めたら、まず喪服と靴の準備をしましょう。

どちらも非常に目につくものであるのと同時に、

悲しみを表現するものとして古来から重要視されてきたものです。

それが終わったら、失礼のないように当日の身支度も準備しておきましょう。

服装に関しては下記記事をご参照ください。

仏式における葬儀や通夜の服装について

持ち物

弔事では普段とは異なる小物や特別な持ち物が必要なこともあります。

弔事でしか使わないものもありますが、礼儀として揃えておくと良いでしょう。

持ち物については必要度別に下表にまとめましたので、参考にしてください。

 

《 弔事の持ち物 》
必ず持参できれば持参
必要に応じて持参
香典(袱紗に包む)
数珠(数珠入れに入れる)
ハンカチ・ティッシュ(白)
バッグ
(黒、金具なし。
手提げタイプが良い。)
供花
供物
傘(無地、地味な色)
または透明ビニール傘

バッグ・鞄

バッグにも弔事にふさわしいものがあります。

まず、女性の場合、バッグは光沢のない黒で、金属が使われていない布製のもの

適しています。

これは皮革製品が殺生につながるため、弔事では敬遠される傾向があるからです。

靴も皮革製品ですので最近は気にしない人も増えていますが、

厳格なお宅や年配者が多い葬儀では、気を付けた方が無難です。

ショルダーバッグよりもハンドバッグの方が格が上に見られるのでおすすめですよ。

布製バッグは、スーツ専門店(『洋服の青山』、『コナカ』など)やネットなどでも

5000円くらいから「フォーマルバッグ」として販売されていますので、

いざという時のために買っておいてもいいでしょう。

また、男性は背広の内ポケットなどを利用すると鞄は不要かもしれませんが、

会社帰りに会場に向かう場合は、ビジネスバッグを持参することになりますね。

その場合はカジュアルなショルダーやリュックタイプは避け、

地味な色あいで金具のないものを選びましょう。

香典・数珠

忘れてはならないのが「香典」と「数珠」です。

香典は香典袋に入れ、さらに袱紗(ふくさ)で包んで持参します。

袱紗の色が紫なら慶弔の両方に使えるのでおすすめですが、

弔事の場合は紺・グレー・深緑も適しています。

数珠は宗派によって多少の違いはありますが、

自分の数珠を数珠入れにいれて持参しましょう。

中には家族や人から借りる人もいますが、数珠は持ち主と御仏との縁を結び、

身を守るものとされています。

パワーストーンなどのブレスレットなどで代用するようなこともせず、

きちんとした自分の数珠を用意しておきましょう。

数珠の色には決まりがありませんから、

房や珠が赤やピンクなどであっても問題ありません。

供花・供物

故人との親交があつかった場合には、

香典の他にお供えする花(供花)や果物・菓子(供物)を持参しても良いでしょう。

しかし、供花も供物ももとは香典と同じ意味を持つものなので、

香典を持参するのであれば改めて用意する必要はありません

また、「供花・供物は辞退させていただきます」という案内があったときは、

「手ぶらで行って良いのか」と悩むケースもあるかと思います。

この場合は、手ぶらといっても香典は持参し、供物は控えるのが

遺族の気持ちを汲んだ対応です。

ただし、「ご厚志は辞退」となっている場合は、

香典・供花・供物のいずれも持参しないでくださいという意味になりますから、

注意してくださいね。

わからないときは香典だけ持参し、受付などの様子を見て判断すると良いでしょう。

ハンカチ・傘など

ハンカチやティッシュも人目に触れることが多いものですので、を選びます。

また、雨天などの場合はが必要になりますね。

黒・紺・グレーなどの無地で地味なものがふさわしいのですが、

折り畳み傘である必要がなければ透明のビニール傘でも大丈夫ですよ。

 
なお、財布カギ携帯電話などを持参することも多いと思います。

これらはバッグの中にしまい、会場内で取り出さないようにする一方で、

香典を取り出すときにちらっと見えてしまわないように

白または黒の布やハンカチで覆っておくと安心ですよ。

挨拶(お悔み)と言葉遣い

式場で遺族に会ったときや受付では、

この度はご愁傷様です(ございます)」というのが基本の挨拶です。

弔事ですから笑顔や大声は厳禁、短く控えめが大切です。

また、不幸が再び訪れないように「重ね言葉(重ね重ね、たびたび、皆々様など)」は

“忌み言葉”として使わないのがマナーです。

同様に、死・苦を連想させる数字の「四」「九」も忌み言葉とされています。

 
また、会場で知り合いに会ったとしても、談笑などしてはいけません。

故人や遺族のうわさ話なども厳禁です。

慎み深く、丁寧な物言いと行動を心掛けましょう。

席の決まり

冠婚葬祭の場合は、どこに座るかが重要になることがしばしばあります。

これは、座る場所に主催者との親交度合いや上下関係が反映されるからです。

弔事の場合も同様ですが、『席順=焼香の順』となりますので、特に注意しましょう。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

通夜・葬儀・告別式・法事の席順のマナーとは?

通夜・葬儀・告別式の流れ

最後に一般的な式の流れを把握しておきましょう。

受付や焼香などのやり方がわからなくても、前の人と同じように行えば大丈夫です。

突然の訃報に触れ、気が動転している人もいますから、大抵の失敗は許されます。

大切なのは、故人を偲び、遺族の気持ちに寄り添うことです。

弔事にふさわしくない笑顔や言葉遣い、態度は避け、慎み深く静かに行動しましょう。

通夜

通夜は亡くなった直後に行われるので、本来は遺族やごく親しい人だけが集まり、

一晩中ローソクや線香を絶やさずに故人を見守るものでした。

しかし、地域による差はありますが、

勤めている人にとっては日中よりも参列しやすい時間帯であることから、

近年では友人・知人・会社関係者なども列席することが多くなっています。

通夜の流れ

  1. 受付(記帳し香典を渡す)
  2. 一同着席
  3. 僧侶入場・読経(通夜の開始)
  4. 焼香
  5. 僧侶退場(儀式としての通夜の終了)
  6. 喪主の挨拶
  7. 通夜振る舞い


受付は通夜の開始30分前から行われることが多いようです。

時間に余裕をもって会場へ向かいましょう。

もし仕事などで遅刻しそうだとしても、

焼香に間に合いそうであれば弔意を表すためにも駆け付けるべきです。

到着したら一礼して、末席に静かに座りましょう。

 
なお、最後の「通夜振る舞い」とは、

通夜が終了した後、親しい弔問客が故人を偲んで軽い食事をすることです。

故人への供養の意味をもつものなので、親族や近親者として参列した場合や、

遺族から声を掛けられた場合は出席し、一口でも頂くのがマナーです。

故人の思い出を語り合い、長くても1時間程度で終了しますが、

遺族の負担にならぬよう30分ほどで退席するようにしましょう。

都市部では場所の確保が難しいことも多いため、

焼香後に通夜振る舞いの席へと誘導され、

順次退席してもらうというケースも増えています。

それすらも難しい場合は、

通夜振る舞いの代わりに折り詰めやビール券などの粗供養品を渡されることもあります。

退出するときは遺族か受付に挨拶し、帰宅しましょう。

葬儀・告別式

厳密にいうと、「葬儀」と「告別式」は別のものです。

葬儀」は宗教儀式であり、

故人の冥福を祈りつつあの世へと送るためのもの(引導)で、

宗教・宗派や死生観などが強く反映されます。

一方の「告別式」はその名の通り「故人へ最後の別れを告げる」ことが目的であるため、

葬儀を行った後に改めて行うのが正式なものです。

しかし、近年では大規模でない限り、両者を同時に行う略式が増えています

葬儀の流れ

  1. 受付(記帳し香典を渡す)
  2. 一同着席
  3. 僧侶入場・読経・引導
  4. 弔辞拝受・弔電奉読
  5. 遺族・近親者の焼香
  6. 僧侶退場


告別式の流れ

  1. 開会の辞・僧侶入場
  2. 読経
  3. 参列者の焼香
  4. 僧侶退場
  5. 閉会の辞
  6. 喪主の挨拶


上記のように正式に葬儀と告別式を分けて行う場合は、

間に20分程度の休憩が入ることが多いようです。

同時に行う略式の場合は、葬儀の“遺族・近親者の焼香”が終わった後、

続けて参列者が焼香し、僧侶の退場、閉会の辞、喪主の挨拶となります。

通夜と異なり、葬儀・告別式には遅刻しないように気をつけましょう。

この後、親族と近親者は火葬場へと向かうのが一般的になっていますので、

遅刻すると故人も遺族もいないという事態になってしまいます。

時間には余裕をもって行きましょう。

 
なお、葬儀・告別式だけでなく通夜にも出席する場合は、

どちらかで香典を渡せば大丈夫です

受付で記帳はしますが、通夜で香典を渡していれば「通夜も参りましたので」、

告別式で渡すなら通夜の時に「告別式も参りますので」と申し添えれば良いでしょう。